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弓道具を知る

2019.05.16

   

麻弦の製作方法

 

以前、麻は群馬や長野など各地で栽培されていたものを使用しておりましたが、現在は栃木県の麻を使用しております。
栃木県の西部足尾山麓一帯は、麻(大麻)の栽培・産地として知られてきました。この地域での栽培は、一説によると弘治年間(1555~1557)に現鹿沼市引田で行われたのが始まりといわれております。麻の作りは、前年の木の葉さらいから始まります。木の葉をもとに堆肥作り、寒中の地ごしらえ、春先の種まき、中耕、夏の盛りに行われる麻切り、湯かけ、秋以降に行われる床ぶせ、麻ひき、麻干しと続きます。この間、播種器、麻切り包丁、麻風呂、麻ぶね、麻引き台、ひきごなど独特な用具が使われます。
弓弦に使う麻は麻の中でも一番強度があり、光沢のある薄く引かれたものを長年の経験で手触りや引っ張った時の強度などの感覚で厳選します。その麻は生産量の一割にも満たないものです。その良し悪しを見分けることが弦師の一番のポイントです。
芯を抜いた上質な麻は新聞が透けて読めるほど薄いものです。

 

弦とは

弦…絹糸や麻糸をより、にかわを塗って作った。玄は一線のうえに細い糸の端がのぞいた姿のことで、糸の細いことを言う。弦は弓と玄の会意形成文字で弓の細いこと。幻(まぼろし=細くて見えにくいこと)とは同系。