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弓道具を知る

2019.01.24

   

第三回 弓矢の話

日本の弓道は、徳川時代初期に大きく成長しておりまして、当時は弓具を弓の師範自ら作っております。
用途も非常に広いのでありまして、矢の種類、弓の種類など、先師の工夫考案によって数限りなくできたようであります。
後には、師範の設計を弓師矢師によって作り上げるという方式が続けられ、当時、矢師として一流をなし、何々流と称し、今日その文献を残しております。この古文書を見ましても、当時の苦心の程がよくうかがえます。

矢は、的矢、遠矢(とおや)、征矢(そや)、鏑矢(かぶらや)、引目(ひきめ)など、大別して二十余種類あります。
矢を盛る器に箙(えびら)、空穂(うつほ)、胡箙(たなぐい)、平胡箙(ひらたなぐい)、矢籠(しこ)などありまして、軍用の修羅矢籠、狩猟用のものに猿頭巾などの名もあります。また、尾花矢籠という大分美化したものも見えます。

鏃(やじり)、これも非常に種類が多くありまして、鏃によって矢の姿を変えて作っており、矢と鏃はもちろん一体のものになっております。
矢の竹、これは、現在、的矢が主でありますから、伐る時期も一定でありますが、昔の種類によってそれぞれ時期を変えております。

たとえば、征矢の如く根をすげ、或は鏑をすげるものは箆張りを強く作る必要から、四年竹を夏の土用と秋の二回に採っており、若竹を夏の土用に伐り、もみがらで磨き、日陰干しして使います。これを「うきす」といっております。