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弓道具を知る

2019.01.24

   

遠矢(繰矢、射流し矢ともいう)

繰矢は、文矢、火矢など実践に備えて行われた実技のもの。堂矢と異なって、矢飛びの速いこと、物を貫く心得をもって作らなければ、遠く飛ぶ性能が生まれない。
矢の姿としては、的矢の麦粒形で細く軽く、羽も小さく、鴨の風切り一番のみね羽などを付けたもの。羽長さ二寸、羽巾一分、七分程度の弓に四匆五分位がよい。
寛永年間と思われるが、吉田大蔵、五十歳を越え、病を押して殿の御前にて根矢をもって遠矢四町を越ゆ。乙矢にて甲矢の筈を射て、大いに面目をほどこし云々という逸話がある。
古語に、遠矢八町差矢三町という。遠矢の目当てを八町としたものであろう。